将来性ある事業を安心して始めるために
将来性ある事業を安心して始めるために
2000年4月にスタートした介護保険制度は、介護を受ける側はもちろん、介護サービスを提供する側にも重要な役割を果たす、高齢化社会ならではの新制度です。
簡単に言えば、高齢化社会における老後の安心のため、社会全体で介護生活を支えるという趣旨の制度です。
利用者は自己負担1割で各種介護サービスを受けることができ、残りの9割は国から介護事業者に支払われるというシステムです。公費や40歳以上の国民(被保険者)が支払う保険料を財源とし、介護を必要とする状態と認定された方が、利用することができます。
介護保険を利用するには「要介護認定」と呼ばれる、介護を必要とする度合いを市町村などから認定されなければなりません。要介護認定の申請に応じ、被保険者の自宅や入院先などへ調査員が訪問し、認定調査を行います。
被保険者の介護を必要とする度合いは7段階に分けられており、最も軽度なのが「要支援1」、そこから順に「要支援2」、「要介護1」、「要介護2」、「要介護3」、「要介護4」とランクが上がり、最も介護を要する状態は「要介護5」となります。この認定の度合いに応じ、受けられる介護サービスの種類が決まります。
介護保険制度の保険料は、原則40歳以上の国民から、健康保険料と併せて徴収されるシステムのため、高齢化が進むほどに財源も増えていく計算になります。
具体的な数字で言うと、2010年は8兆円規模であるのに対し、2025年には24兆円規模とおよそ3倍に拡大されると予測されています。
「ビジネスとしての将来性」のページで、介護ビジネスの需要増大が予測されるとご紹介していますが、24兆円という数字がその信憑性を物語っています。
支払われる介護報酬のうち9割は保険適応分ですが、事業者が注意すべきはその保険分が支払われるまでの期間です。
介護保険分については翌月10日締めで国民健康保険団体連合会に請求、翌々月末に振り込まれることになり、つまり事業者の手元に売り上げが入るのは2ヵ月後ということになります。
起業したばかりの事業者はこの介護保険分が振り込まれるまでの期間の資金繰りが厳しくなることが多いのです。私の過去の失敗の原因もここにありました。
利用者が増えれば増えるほど、人件費がかさみ経営状態が悪化するという矛盾を乗り越えて、はじめてビジネス成功への一歩を踏み出せたといえるでしょう。